このラグビーキック上達のプログラムに興味を持ってくれた、
将来の優れたキッカーを目指す選手たちへ、僕の経験から是非伝えたいことがあります。
僕は中学でラグビーを始め、名門慶應義塾蹴球部で学生日本一になりました。
その後、サントリーでも、多くの素晴らしい仲間や
優れた先輩たちの支えで、厳しい練習に耐えることが出来、多くの試合で力を発揮することが出来ました。
キックのスキルを信頼され、日本代表でもW杯予選と本戦において、
プレースキッカーを任されるという素晴らしい経験をさせてもらいました。
しかしながら、今、僕の心の中には、そのキックに関わるとても大きな心残りがあります。
出場したW杯では4試合すべてに出場し、うち2試合は先発でゴールキッカーを任されました。
1試合は2G、5PGの19点、もう1試合は1T2G4PGの21点をスコア。
その大会でゴールを外したのは、一回だけという、
今思い出しても本当に調子が良かったんです。
大会自体では、日本は全敗・・・本当に悔しかったです。
とはいえ、ゴールキックでは記録、数字の上では満足できるものだった・・・
でも、「後悔といってもいいのかもしれない、大きな心残りというのは、
キックを他の選手に代わってもらったことなんです。
大会最終戦、後半28分、試合も残り10分ほどという場面で仲間が得た、ハーフウェイ近辺でのPG!
僕はその飛距離に自信が無く、タッチキックの提案をしました。でも、もう一人のプレースキッカーの仲間が「俺に蹴らせろ」と名乗りを上げ、キッカーを代わってくれたんです。
彼のキックは結果としては、外れてしまいました。
でも、あの時、失敗しても自分が蹴るべきだったと今でも思います。
成功するか?どうか?そんなことはどうでもいい。大切なのはチャレンジする姿勢だったと思うんです。
残り少ない時間と一点ビハインドという点差を考えた結果、冷静と言えば聞こえはいいけど、「なぜチャレンジしなかったんだろう」という気持ちが今でもあります。
僕は、キッカーの役割は、ずばり
「チームの勝ち負けをオレが背負っている」
という強い気迫で試合に臨んで、目の前のキックの成功にだけ集中することだと思います。
試合の勝敗の責任は、監督やコーチにあるんです。キッカーにはない。
極端に言えば、そこを選手が考え、消極的になる必要はないとおもいます。
僕の心残りは、キッカーとして一番大切な、
「気迫をもってゴールを成功させることだけに集中する」という、
責任を最後の最後に全うできなかったことです。
その経験があるからこそ、これからの選手に伝えたいこと;
ラグビーでのキックのスキルを磨きたいと思って、僕が監修したこの教材で
優れたキッカーになりたいと願う選手たちには、
チームの勝敗のカギはキッカーである自分が担っているんだ!という
気迫を持った選手になって欲しいと思います。
技術をどんどんレベルアップし、その「気迫」を武器に、
勝ち負けの結果なんかに集中してほしくない。
自分を含めた15人の仲間たちが必死にもぎ取ったチャンスを無駄にしないこと、
ただ、「ゴールを成功するそれ一点に集中して、ボールを蹴る足を振り切って欲しいです。
キックは100パーセント成功するということはない。85パーセント成功すれば素晴らしいと言っても過言ではない。
でも、これから、ラガーとして優れたキッカーになろうとする選手たちには、
少しでも自分のキックのレベルを100パーセント近くに引き上げる、努力を
惜しまないでほしいです。僕が得た練習法やキックのコツはあまねく伝授したつもりです。
ぜひ、「これで十分」などという限界を決めず、繰り返し繰り返し練習してスキルを磨いてください。
そして、そのスキルへの自信を持ち、キックでは「気迫」と「集中力」でどんどん、チャレンジです。
チャレンジする姿勢を忘れないでくださいね。
今回伝授したスキルアップについて、解らないことが合ったら是非相談してください。
応援しています。
ラグビー・キック上達革命~チームを勝利に導く正確無比なキックを習得する方法~【元・日本代表、現・日本代表コーチ 栗原徹 監修】オンライン版